コンプレッションインナーは着用している時に適度な圧力がかかることで、筋肉を支えて身体の動きを助けるほか血行促進や関節への負担を軽減させるなど様々なサポート効果を持っています。吸湿速乾性にも優れていることから多くのスポーツ選手がインナーとして着用するほか、ワークウエアなどにも積極的に導入され初めています。
血行を促して代謝機能を高め、体温を上げて脂肪燃焼効果をもたらすことからダイエットにも有効性が高いとされ、幅広い層からの注目を集めるようになりました。
レギンスタイプのインナー
レギンスタイプのインナーの場合は元々エコノミークラス症候群防止やむくみ解消のため医療用として開発されたものを参考にして作られていることから、就寝時に着用していても問題がないと考えられるようになり、24時間着用する人も出てきています。
生地のタイプによっては抗菌防臭機能のほか夏用では接触冷感、冬用では保温・保湿性能に優れている製品もあり、一般的なインナーよりも着心地の良さがアップしている製品も少なくありません。筋力サポートに優れ血行促進や疲労軽減効果もあることから就寝時に着用しても大きなメリットが得られるイメージがありますが、レギンスタイプはともかく、上半身に着用するタイプの場合は注意すべき点がいくつかあります。
身体に適度な圧をかけることで筋肉を支えて補助するコンプレッションインナーは、猫背の改善など姿勢矯正にも優れた効能を持つことも人気のポイントになっています。
就寝時には着用しない
姿勢矯正を主な目的にして購入する場合、背中を引っ張って背筋を伸ばし、肩を開かせるように圧がかかる製品が良いということになりますが、このタイプは就寝する際に着用するには不向きです。眠っている時にも身体に強めの圧がかかってくるインナーでは寝苦しい状態が続き、寝返りを打つ際に身体が制約を受けることで眠りが浅くなりがちで、睡眠の質が全体的に低下してしまいかねません。
さらにコンプレッションインナーが持つ体温上昇や脂肪燃焼効果も就寝中にはデメリットが多く、着用したまま眠ることで体温が必要以上に上がってしまい、眠っていても脳が休まらない状態が続いて、快適な眠りを妨げる状態になってしまいます。
深く眠った気がしなかったり起床した際に倦怠感を覚えたりする状態は圧がかかりすぎるインナーが悪影響をもたらしていると考えたほうが良く、その場合は就寝時の着用は控えるべきです。
体調維持の工夫
効果的な筋トレや姿勢矯正のためにできるだけ長く着用したいと考えていても、睡眠の質が低下してしまってはかえって逆効果になってしまいます。
トレーニング時や作業中は圧が強いタイプのインナーを身に付けていたとしても、リラックスタイムや就寝時には身体を締め付け過ぎないタイプに着替えるなど、体調全般を維持するための工夫が必要です。
睡眠の質を低下させたままの状態が長く続くと免疫機能の低下を招き、感染症など病気にかかるリスクが上昇するばかりか、ストレスが蓄積して本格的な不眠症や抑うつなどにもなりかねず、筋力アップや姿勢矯正など健康の維持増進のために導入したコンプレッションインナーがデメリットをもたらすことになってしまいます。
起床している時には身体にかかる圧を活用して積極的に動いてほど良い運動効果を獲得し、リラックスタイムや就寝時には身体の緊張をゆるめて、意識して休養をとるほうがメリットのほうを無理なく得て行くことにつなげられます。
就寝中にもどうしてもコンプレッションインナーを着用したい場合はできるだけ身体に圧がかからず、体温が上がり過ぎないタイプの製品を選ぶべきですが、代謝が良くなり過ぎる機能も睡眠時にはデメリットをもたらすことがあり、用心しておかなければなりません。
睡眠中に代謝が良くなり過ぎると就寝中の身体は思うように疲労回復することができず、筋肉も休まらない状態が続いてしまいます。
オンとオフをしっかり切り替えよう
筋肉はトレーニング後の休養期間にさらに強化されることから、適度な休息が得られないと筋力アップがおぼつかない状態となります。体温を上げて血行を促進させる作用も就寝時の場合、汗をかいて体の水分が必要以上に奪われてしまうと血液が粘度を増して血行不良を引き起こしかねないため、就寝前に水分を控えるタイプの人は血栓症などのリスクを上昇させてしまいかねません。
コンプレッションインナーは関節の動きをサポートし、テーピングのような機能も持っていることからひざ関節などに不安がある人にも良いインナーですが、血圧などに不安があるシニア世代の場合、就寝時の着用は特に要注意と言えます。
優れた効果が得られることから24時間着用し続けたくなる製品ではありますが、寝苦しいなどの自覚があった場合には無理をして着用を続けないことが重要で、就寝する際にも使用したい場合には加圧効果が低減したとしても大きめサイズの製品を選んだり、体温が上がり過ぎないよう寝具を変えるなどの工夫が必要です。